令和3年度審査員
令和3年度の受賞者は以下の審査員の厳選な審査のもと決定されました。
岩崎 由美子 氏
審査委員長
福島大学行政政策学類 教授
●経歴●
埼玉県生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。住民主体の計画づくり、農山村地域活性化、農村女性起業、震災からの地域復興などを研究。
●主な著書●
『〈食といのち〉をひらく女性たち』(農文協、共著)
『食と農でつなぐ 福島から』(岩波書店、共著)
『小さな自治体の大きな挑戦-飯舘村における地域づくり』(八朔社、共著)
『女性の参画と農業・農村の活性化』(全国農業会議所)
『成功する農村女性起業』(家の光協会、共編著)など。
五條 満義 氏
東京農業大学国際食農科学科 准教授
●経歴●
全国農業会議所に8年間勤務後、1997年年に東京農業大学専任講師、2003年に助教授、07年から准教授。国の第2次・第3次・第4次の「男女共同参画基本計画」の策定作業をめぐり、内閣府男女共同参画会議専門委員を務めた。
●主な著書●
『家族経営協定の展開』(筑波書房・2003年)
『中国の大学と農村は今』(東京農大出版会・2008年)
『家族経営協定 最前線』(全国農業会議所・2010年)など。
平田 真一 氏
有限会社 平田観光農園 代表取締役
農のふれあい交流経営者協会 会長
●経歴●
1965年8月長野県生まれ。広島大学法学部卒業後、落合経営会計事務所に入社。その後、有限会社平田観光農園に就職。
2006年7月に同取締役社長に就任、川西地区果実共同加工組合代表就任。
2010年7月に長野県中野市に、株式会社果実企画を設立、取締役就任。
2016年12月に株式会社イチコト設立、取締役に就任。
2020年4月に川西地区果実共同加工株式会社を設立、取締役に就任(すべて現任)
全国農業会議所が事務局を務める経営者組織「農のふれあい交流経営者協会」会長。
納口 るり子 氏
一般社団法人 未来農業創造研究会 代表理事
筑波大学大学院生命環境科学研究科 教授
●経歴●
1957 年生 神奈川県小田原市出身。蜜柑農家の次女として誕生し、北海道大学農学部農業経済学科卒業。
その後、農林水産省の試験研究機関(東京・つくば・新潟県上越市)で 21 年間、先進農業経営者の経営管理や農家間の組織化などについて研究を行う。
2000 年から筑波大学にて、教育と研究に従事。
小川 理恵 氏
一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA)主席研究員
●経歴●
一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA) 基礎研究部 主席研究員。
1997年に、前身である社団法人地域社会計画センターに入会。総務課長、企画調整室長を経て研究職に職種転換、現在に至る。
研究分野は地域づくりと女性活動。
●主な著書●
『魅力ある地域を興す女性たち』(農文協、2014年)
『JA女性組織の未来 躍動へのグランドデザイン』(共著、家の光協会、2021年)
『事例から学ぶ 組合員と進めるJA自己改革』(共著、家の光協会、2018年)他
安形 京子 氏
(一社)全国農業経営コンサルタント協会 理事
安形税務会計事務所 税理士・行政書士
●経歴●
福島県会津生まれ。当初名古屋市の社会福祉施設に勤務。
その後養豚農家に嫁ぎ農業の現状を知る。
会計事務所に勤務後1995年安形税務会計事務所を設立。
最初から農家の応援を使命と位置づけ愛知県農業経営改善支援センタースペシャリストに登録。
県の農業改良普及所、市の農政課、JA関係等からの依頼で会計及び税務の講師として従事。
農業関係の会計人の組織である(社)全農協に入会し農業簿記検定試験立上げメンバーに加わり、教科書作りや試験委員にて活動。
日本政策金融公庫農業経営アドバイザー上級試験合格、食Pro.取得、FP、経営革新等支援機関認定。
現在は愛知県農業経営相談所専門家に登録し、様々な農業経営者の相談にのりながら、日頃は税理士・行政書士事務所の経営に従事する。
「農山漁村女性活躍表彰」について
「農山漁村男女活躍表彰」は農林水産業及び農山漁村の活性化、農林水産業経営や政策・方針決定への女性の参画推進、次世代リーダーとなりうる若手女性の農林水産業への参入など女性活躍推進のために優れた活動を行っている個人や団体の方々を表彰し、女性が農山漁村でいきいきと活躍できる環境づくりに資することを目的としています。次の6部門の優れた取り組みについて、表彰します。
女性地域社会参画部門(個人)
農山漁村の女性が中心となった地域の農林水産業の振興及び農山漁村の活性化のための以下の活動等を中長期に渡り積極的に実施している個人の取組。
・地域の雇用の創出や耕作放棄地の解消等、地域の活性化に資する活動
・小学校等での農林漁業体験や伝統料理教室等による食と農林漁業に関する教育活動
・その他、女性が地域社会参画に向けて取り組む諸活動
・農林水産関係組織・団体における役員等への女性登用に積極的
に取り組む活動
女性地域社会参画部門 (組織)
農山漁村の女性が中心となった地域の農林水産業の振興及び農山漁村の活性化のための以下の活動等を中長期に渡り積極的に実施している組織・団体等の取組。
・地域の雇用の創出や耕作放棄地の解消等、地域の活性化に資する活動
・小学校等での農林漁業体験や伝統料理教室等による食と農林漁業に関する教育活動
・その他、女性が地域社会参画に向けて取り組む諸活動
・政策・方針決定過程への参画を推進するため、農林水産関係組織・団体における役員等への女性登用に積極的に取り組む活動
募集対象は、農林水産業に従事している女性が構成員(臨時雇用者を含む。以下同じ。)の概ね半数以上の団体。登用にかかる事案については、農業協同組合、JA女性組織協議会、農業委員会(農地利用最適化推進委員への登用を含む。)、漁業協同組合、森林組合、共済組合、女性組織等の取組。
女性起業・新規事業開拓部門
山漁村の女性が中心となり、女性ならではのアイディア等に基づき地域資源を活用した起業活動や輸出、スマート農林水産業、農福連携等の導入により女性が農林水産業経営に積極的に参画し、女性ならではのアイディア等に基づき新規事業・部門等を設立し概ね5年以内に経営上の成果を上げている取組。
募集対象は、女性の個人又は農林水産業に従事している女性が構成員の概ね半数以上の法人もしくは役員の概ね3割以上が女性の法人。
女性活躍経営体部門
女性を積極的に雇用し、キャリア形成・能力開発に関する取組みや育児・介護などに関する就業規則等を整備し、女性が働きやすい環境整備に取り組むとともに経営方針等に女性が参画し、実践している概ね5年以内の農林水産業を営む経営体の取組。もしくは、家族経営協定の締結をきっかけとして、女性が活躍できる環境を整備し、女性が積極的に経営に参画している概ね5年以内の取組。
募集対象は、女性自らが経営者となり活躍している経営体又は女性役員・従業員が活躍できる環境を整備している経営体。水産分野については、加工事業者を含む。
若手女性チャレンジ部門
なお、団体にあっては、役員等に若手女性が含まれており、かつ、構成員に複数の女性が含まれているものとする。
・他産業で培った知識や経験を活かして取り組む起業や地域活動
・農林水産業の担い手や女性の起業を支援する活動
・これまで女性が携わることの少ない、あるいはなかった経営技術等の習得などによる積極的な経営参画・起業活動
・その他起業、地域活性化に向けて取り組む諸活動
地域子育て支援部門
募集対象は、農林漁業者及び農林漁業団体が自ら行う、又は、農林漁業者及び農林漁業団体が都道府県・市町村・民間団体等と連携し行う、農山漁村の特色・課題を踏まえた地域の子育て支援、児童・学童の健全な育成に資する取組。
・保育所、学童保育、子育て支援広場等の設置・運営
・子ども食堂、フードバンク
・農林漁業体験、環境教育、酪農教育ファーム
・森の教室、森のようちえん等
特別賞
上記部門で推薦を受けた中から、農林漁業を通じて、ふるさとの未来を担う地域の子ども達の育成に資する取り組み等を選出するものとする
令和3年度 農山漁村女性活躍表彰 結果一覧
受賞個人・団体一覧
賞の種類 | 賞の名称 | 部門 | 県名 | 所在地 |
個人または団体名 |
最優秀賞 | 農林水産大臣賞 | A 女性地域社会参画部門(個人) | 群馬県 | 高崎市 | 齋藤 絹代 |
農林水産大臣賞 | B 女性地域社会参画部門(組織) | 宮城県 | 仙台市 | みやぎアグリレディス21 | |
農林水産大臣賞 | C 女性起業・新規事業開拓部門 | 熊本県 | 南小国町 | 穴井 里奈 | |
農林水産大臣賞 | D 女性活躍経営体部門 | 大分県 | 大分市 | 株式会社村上農園 | |
農林水産大臣賞 | E 若手女性チャレンジ部門 | 福岡県 | 久留米市 | 宇佐川 美奈 | |
優秀賞 | 経営局長賞 | A 女性地域社会参画部門(個人) | 岡山県 | 岡山市 | 板野 眞理枝 |
経営局長賞 | B 女性地域社会参画部門(組織) | 大分県 | 竹田市 | 有限会社 エム・ナイン | |
経営局長賞 | C 女性起業・新規事業開拓部門 | 千葉県 | 市原市 | 山﨑 美佐江 | |
経営局長賞 | D 女性活躍経営体部門 | 茨城県 | 河内町 | 株式会社ゲブラナガトヨ | |
経営局長賞 | E 若手女性チャレンジ部門 | 岡山県 | 津山市 | 鈴木 妃奈 | |
林野庁長官賞 | B 女性地域社会参画部門(組織) | 和歌山県 | — | 和歌山県林業研究グループ連絡協議会 女性林研部会 |
|
水産庁長官賞 | E 若手女性チャレンジ部門 | 鹿児島県 | 屋久島町 | 川東 繭右 | |
優良賞 | 全国農業協同組合 中央会長賞 |
A 女性地域社会参画部門(個人) | 岩手県 | 盛岡市 | 松本 直子 |
全国漁業協同組合連合 会長賞 |
B 女性地域社会参画部門(組織) | 岩手県 | 洋野町 | 種市南漁業協同組合 宿戸女性部 | |
農山漁村男女共同参画 推進協議会 会長賞 |
A 女性地域社会参画部門(個人) | 富山県 | 小矢部市 | 田悟 敏子 | |
B 女性地域社会参画部門(組織) | 愛媛県 | 内子町 | 内子アグリベンチャー21 | ||
C 女性起業・新規事業開拓部門 | 群馬県 | 前橋市 | 矢端 晴美 | ||
E 若手女性チャレンジ部門 | 北海道 | 広尾町 | 角倉 円佳 |
受賞者紹介
農林水産大臣賞
女性地域社会参画部門(個人)
齋藤 絹代
最優秀賞
農林水産大臣賞
女性地域社会参画部門(個人)
群馬県 高崎市
平成元年、義父母から経営移譲を受け、脱サラした夫とともに後継者として就農。
平成8年から、学校への野菜の提供や、近隣小学校の社会科見学の受け入れなど、食農教育活動を実施。
平成10年に直売所「柴崎農園」を開設し、現在はECサイトも活用して販売。消費者が求める農産物を提供したいとの思いは強く、確かな品質はリピーターの獲得に繋がっている。地域の「食」を支え、地域受け入れられる農園づくりに尽力。農業委員、食育推進会議、県農政審議会や観光審議会など、様々な分野の委員を務め、積極的に意見を発信。女性の地域社会参画の推進に大きな役割を果たしてきた。
農林水産大臣賞
女性起業・新規事業開拓部門
みやぎアグリレディス21
最優秀賞
農林水産大臣賞
女性地域社会参画部門(組織)
宮城県 仙台市
平成14年3月に設立。
当初から、女性の農業委員の登用促進を重点活動に据え、活動。改正農業委員会法施行後2回目の改選(令和元年度〜令和3年)に際し、農業委員会を設置する県内全34の市町村長、市町村議会議長に対して、(一社)宮城県農業会議と連名による要請活動を行い、あわせて、市町村農業委員会会長に対しても要請活動と、市町村長、市町村議会議長に対する要請への同席を求め懇談を行ってきた。
令和3年7月に、本県では改選が全て終了し、この時点での会員数は103名で、女性の農業委員の登用率は18.8%。県内全ての市町村農業委員会に女性の農業委員が登用され、第5次男女共同参画基本計画の成果目標である、女性農業委員のいない農業委員会をゼロにする目標を達成した。
農林水産大臣賞
女性起業・新規事業開拓部門
穴井 里奈
最優秀賞
農林水産大臣賞
女性起業・新規事業開拓部門
熊本県 南小国町
2011年、結婚を機に移住。
小国杉の歴史や魅力から、小国杉をもっと広めたいと、2016年、株式会社Forequeを設立。端材を使った雑貨や、生活用品の企画・製作を始める。
2020年に、県の木育インストラクターの資格を取得、町内の保育園や学校で、体験イベントを開催。また、エッセンシャルオイル事業では、放置されていた枝葉を林業家から買い取り、抽出後の残渣物も、土づくりや熱エネルギーとして再利用、廃棄物ゼロに努める。地元の中学校に、国内初となる「林業×プログラミング」をテーマにした部活動を提案、運営。
2017年から、ライフスタイルブランドFILを立ち上げ、木製品やアロマ製品を企画。木材の可能性や魅力を国内外に発信、地域の林業、観光業の活性化にもつながっている。
農林水産大臣賞
女性活躍経営体部門
株式会社 村上農園
最優秀賞
農林水産大臣賞
女性活躍経営体部門
大分県 大分市
昭和60年、現代表の父がニラ生産を専業で開始、平成23年4月に法人を設立。
令和3年に枝里氏が代表取締役に就任。出荷・調整作業を担う若手の女性パート従業員確保のため、子育て中の女性が働きやすいように労働条件の改善と環境整備を行い、雇用の安定化が実現。経営面積も順調に規模拡大している。また、女性従業員自らが創意工夫で仕事を行える仕組みにより、従業員のやりがいが向上、自ら考えて働く従業員を育成することができている。新たな生産技術の確立や機械化による業務の効率化など、産地へのけん引役としても地域へ貢献しており、地域の荒廃農地の無償整地、福祉施設への調整作業の委託や障がい者雇用等の農福連携にも積極的に取り組んでいる。
農林水産大臣賞
若手女性チャレンジ部門
宇佐川 美奈
最優秀賞
農林水産大臣賞
若手女性チャレンジ部門
福岡県 久留米市
花農家の義父から勧められ、平成24年にJAのリーフレタス部会に入り、60aから栽培を開始、新規就農者となった。
面積を順調に拡大し、平成27年には夫も就農。
平成28年から、パートの雇用も開始。出勤人数に合わせて仕事内容を決める等、子育て中の従業員が働きやすい環境づくりに取り組む。一方通年雇用に向けた作業環境改善のために、キクラゲ栽培を開始。パート2名が正規職員になり、外国人技能実習生の受け入れも行うなど、リーフレタスの栽培面積は10haまで増加。
平成30年、久留米市の若手女性農業者グループ「美農女くるめ」を結成、同世代の農業者との交流、地元の子供との野菜教室など食農教育活動にも取り組んでいる。
経営局長賞
女性地域社会参画部門(個人)
板野 眞理枝
優秀賞
経営局長賞
女性地域社会参画部門(個人)
岡山県 岡山市
昭和57年、非農家からメロン農家に嫁ぎ、就農。
燃油高騰を受け、平成15年に冬季のメロン栽培に替えブプレウラムを導入。良品安定生産技術の確立と部会員の技術向上に尽力し、作付面積全国3位(令和2年)のブプレ産地確立の一翼を担ってきた。花き部会役員に就任してからは、東京市場や食育花育を通じた地元への産地PR、新規栽培者の巡回指導など、産地振興に取り組む。ミセスコスモスや岡山市女性農業士など女性農業者の会で得た知識や経験を活かし、自らは家族経営協定を締結して経営参画を実践するとともに、女性農業者の積極的な地域社会参画をアドバイスしてきた。
平成30年4月から岡山県農業士に就任、広く農業後継者の育成活動等にも注力している。
経営局長賞
女性地域社会参画部門(組織)
有限会社 エム・ナイン
優秀賞
経営局長賞
女性地域社会参画部門(組織)
大分県 竹田市
トマト農家の女性が規格外品を使用した加工品の製造販売を目的に起業したグループ。
平成14年法人化。
開発したケチャップが高い評価を受けたことから、原料調達の安定化のため、JAと連携して規格外品を使用。生産農家の所得向上や、後継者や新規就農者が育つなど、高齢化が進む中で産地面積を維持、出荷量、販売額も増加傾向にある。高い品質の加工品は、トマト産地のブランドアピールの一役を担う。また、消費者との交流、地元小中学生や農業大学生の視察・研修の受け入れや、トマト料理の講師派遣等も行っており、生産農家が6次産業化に取り組み、成功したモデル的起業グループであり、農山漁村女性の積極的な起業・経営参画を後押しするリーダー的存在。
経営局長賞
女性起業・新規事業開拓部門
山﨑 美佐江
優秀賞
経営局長賞
女性起業・新規事業開拓部門
千葉県 市原市
夫の脱サラによる就農を機に本格的に農業に携わり、「保存料や着色料などの食品添加物を使わない商品づくり」をモットーとした農業経営を展開、規模拡大を図ってきた。地域産物を活用した商品開発や体験交流部門の立ち上げ、農家レストラン、直売所の開設、後継者のイチゴ栽培と次々に事業を創設し、里山ファームのファンづくりや農業の魅力の理解醸成に努め、地域農業の活性化に大きく貢献している。夫婦で県指導農業士に認証され、農業委員、県の男女共同参画懇話会委員としても活躍。新型コロナウイルスや自然災害のリスクの中でも、地域密着型の直売所を建設、地元生産者や新規参入者の販路を確保するなど地域農業を支えるリーダーとして活躍の場を広げている。
経営局長賞
女性活躍経営体部門
株式会社ゲブラナガトヨ
優秀賞
経営局長賞
女性活躍経営体部門
茨城県 河内町
鉢花やポット苗の育種・生産・販売を行う。
年間売上は、161,006千円(過去5年間の平均)。
花の育種や選抜に力を入れ、常に消費者目線に立った商品開発に努める。通年で安定した商品供給をするため、2006年から長野県に支店を設け、気候に合わせた花の生産に取り組む。経営計画等に現場の従業員等女性の意見が反映される体制を整えており、商品開発の段階から積極的に女性を参画させることで、女性好みの淡い色合いの花を生産。消費者や販売店から高い評価を得ている。女性従業員が活躍できる環境を整え、働きやすく、活躍しやすい体制作りに取り組んでいる。また、地元の農業経営士、女性農業士の視察の受け入れなど、地域の農業者の育成にも貢献している。
経営局長賞
若手女性チャレンジ部門
鈴木 妃奈
優秀賞
経営局長賞
若手女性チャレンジ部門
岡山県 津山市
平成22年、いちご栽培で農外から新規参入。
自らの経営の傍ら、 (有)まほらの運営する農園の従業員としても活動。前社長の死去により、代表取締役に就任。果物狩り品目の拡大、6次化産品・加工品の開発、イベントの実施、カフェの開設等さまざまな事業に取り組み、農業振興拠点としての農園の発展に尽力。併せて女性従業員が働きやすい環境づくりも進める。また、若手女性組織「あぐり女史の会」に参画し、知識向上・地域活性化に向けた研修会や活動を行う(平成30年から3年間会長)。保育園から社会人まで幅広く農業体験の受入を行い、食農教育実践の場を提供。県の就農研修事業による研修生を受け入れ、新規就農者確保・育成も積極的に進め、農福連携の取組も行う。
林野庁長官賞
女性地域社会参画部門 (組織)
和歌山県林業研究グループ連絡協議会 女性林研部会
優秀賞
林野庁長官賞
女性地域社会参画部門 (組織)
和歌山県
平成11年3月設立。
地域で森林や林業をPRしたいと、平成15年度からヒノキ間伐材を使用したマグネットづくり体験指導を開始。和歌山の「木」の良さを広めている。
平成21年度から小学校等での森林・林業教室を開始。
平成26年度からは、高校生への授業も行う。座学の他、会員所有林での間伐体験や、経営者や従事者の話を聞くなど、将来の職業選択に活かしてもらう機会となっている。
平成27年度、紀の国わかやま国体において、森林・林業・木材に関する広報を関係団体に呼びかけ、展示の他、来場者に手作りのかんなリボンストラップを無償配布。女性ならではの視点や発想で、「木」や森林、山の魅力の発信に継続的に取り組んでいる。
水産庁長官賞
若手女性チャレンジ部門
川東 繭右
優秀賞
水産庁長官賞
若手女性チャレンジ部門
鹿児島県 屋久島町
他業種で働きながら釣行モデルとして活動中、屋久島の魚に魅了され平成23年移住。
その後、一本釣りの漁業者と結婚。島でも魚食離れが進んでいる状況を知り、平成26年から魚食普及活動を開始。
平成30年11月から、地魚を使ったケータリングや弁当の販売、鮮魚販売仲介業務、魚食普及活動業務を受託する個人事業主として「屋久島いお結び」を開業。育児の傍ら、地元の祭りで鮮魚販売や地魚解体ショーを開催、小・中学生を対象とした地魚料理教室、レシピ開発など奮闘。
平成28年水産庁長官から「お魚かたりべ」に任命される。魚離れが顕著な若い主婦、子育て層向けに「時短」、「手間なし」をキーワードにしたレシピブックを、県、市町、漁協とともに作成。
令和3年8月、鹿児島県指導漁業士に任命された。
全国農業協同組合中央会長賞
女性地域社会参画部門(個人)
松本 直子
優良賞
全国農業協同組合中央会長賞
女性地域社会参画部門(個人)
岩手県 盛岡市
非農家出身。
昭和61年、果樹専業農家の長男と結婚、就農。
新たな品目としてブルーベリーを導入後、女性農業者グループ「藍の会」を立ち上げ、産地シンポジウムを成功に導くなど、地域のブルーベリー振興に尽力。
平成4年から地元保育園、小中学生の体験学習、高校生や農業大学校生の研修受入など、長年、食農教育に取り組む。また、農園カフェでは、地域農業の現状や農村風景を維持する取組など、広く情報を発信。自家農園を活用した地域交流イベント「りんご畑 de コンサート」は、平成11年から9回を数え農業や地域の魅力を再発見する機会となっている。
地元企業との連携による当地商品の開発など、「盛岡りんご」のさらなる認知度向上にも尽力。
全国漁業協同組合連合会長賞
女性地域社会参画部門 (組織)
種市南漁業協同組合
優良賞
全国漁業協同組合連合会長賞
女性地域社会参画部門 (組織)
岩手県 洋野町
昭和34年結成。
平成17年度から宿戸地区では、地元の小・中学生を対象の体験学習に取り組み、地域ぐるみで担い手育成を行っている。
女性部は、主に中学生を対象に、漁獲→加工→販売までの一連の作業の体験学習で、収入につながる楽しさも知ってもらう等、工夫を凝らす。生徒の中から、これまでに5人が当地区の漁業者として活躍。また、JF種市南では、一家族に複数の人が正組合員資格を持つことを積極的に進めており、令和2年度及び令和3年度には若い女性3人が女性漁業者としてデビュー、正組合員となって活躍、女性漁業士も新たに2人誕生した。地区の担い手活動と女性部活動を調和させ、女性漁業者の収入確保と働きやすい環境づくりへの努力を漁協と共に取り組んでいる。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性地域社会参画部門(個人)
田悟 敏子
優良賞
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性地域社会参画部門(個人)
富山県 小矢部市
平成14年小矢部市で初めて家族経営協定を締結、夫との共同申請により、「認定農業者」に認定され、以降、家族経営協定が10戸で締結された。市初の女性の農業委員を務め、令和2年からは富山県女性農業委員の会会長を務める。
郷土料理「にしんの糀漬」を商品化、当該商品は、令和2年からふるさと納税制度の返礼品となる。
平成19年から県の「とやま食の匠」、平成26年から「富山県食育リーダー」等を務め、食農教育や郷土料理の伝承に貢献。女子高校生と小矢部の食材を活かした「生キャラメル」の開発や、食にかかわる異業種グループ「メルきゅん女子」でりんごやかきもちなどを使った「農産物パフェ」の開発など、若い世代への地域農業・農産物のPR、活性化に貢献。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性地域社会参画部門 (組織)
内子アグリベンチャー21
優良賞
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性地域社会参画部門 (組織)
愛媛県 内子町
平成13年2月に結成。
町が農畜産物処理加工施設を直売所内に新たに整備した際、施設の運営と農産加工品の研究開発を行う主体として発足。
メンバーは、直売所に出荷する生産者で、地元農産物を使った新しい農産加工品の開発と、製造販売、飲食店の経営等複合的なアグリビジネスを展開。安全、安心、健康をモットーに開発研究した商品は好評を得、特に、「もち麦うどん」、特産の柿の「柿ようかん」は人気商品として定着。町の新規作物「じゃばら」の加工食品の研究開発にも力を入れ、知名度アップに貢献。設立当時約890万円であった売上額は、令和2年約2370万円と成長。
「勇気・やる気・元気」を合言葉にした活動は、地域での女性の経済的自立や活性化に寄与している。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性起業・新規事業開拓部門
矢端 晴美
優良賞
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
女性起業・新規事業開拓部門
群馬県 前橋市
非農家出身、昭和60年結婚を機に就農。
昭和63年から日本語教師の仕事を再開、農業と両立させている。
平成5年に特別栽培米制度を利用した直接販売を契機に積極的に経営参画。
平成15年に法人化し取締役に就任、消費者交流・情報発信に取り組む。
平成18年から通年雇用と経営安定を図るため、餅の製造販売部門を立ち上げ6次産業化に着手。100%自家製の餅米を使った餅は経営の一つの柱へと成長。
平成24年に6次産業化認定事業者の認定を受けるとともに、市の農産物ブランド認定を取得。組織活動にも積極的に取り組み、役職を歴任し地域リーダーとして活躍。郷土料理の技術伝承、地産地消、体験学習や食育活動にも積極的に取り組み、農業の魅力発信、理解促進に貢献している。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
若手女性チャレンジ部門
角倉 円佳
優良賞
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
若手女性チャレンジ部門
北海道 広尾町
酪農家に生まれる。大学卒業後2年間、カナダの牧場で実習し、女性による牧場マネジメントを体験。
帰国後平成19年に株式会社マドリンを設立。
搾乳頭数30頭で経営を開始、現在は、経産牛頭数約60頭、年間出荷乳量およそ680㌧を生産。
一人で経営を始めた際の閉塞感や情報収集の難しさなどの経験から、酪農女性が新たな情報を学び、仲間と情報交換できる場を主催。全国的なネットワーク活動にも取り組み、酪農女性の経営参画の推進や地域農業の活性化に努める。
また、ラジオパーソナリティーとして、農業界だけではなく、地域や都市に向けて酪農の意義を伝える活動も行っている。
広尾町の農政推進協議会の組織員、北海道農業士、食料・農業・農村政策審議会委員。
令和3年度 農山漁村女性活躍表彰 受賞者マップ
受賞者マップ
これまでの受賞者を地図にプロットしました。