令和元年度 農山漁村女性活躍表彰 結果一覧
受賞個人・団体一覧
A:女性地域社会参画部門 B:女性起業・新規事業開拓部門 C:家族経営女性参画部門
D:女性活躍法人部門 E:女性登用・組織参画部門 F :若手女性チャレンジ部門
種類 | 賞の名称 | 部門 | 県名 | 所在地 | 個人または団体名 |
最優秀賞 | 農林水産大臣賞 | A | 群馬県 | 県域 | アグリレディースネットワークぐんま |
農林水産大臣賞 | B | 福井県 | 福井市 | (有)エッチジェイケイ加工部米工房ほ・た・る | |
農林水産大臣賞 | C | 福井県 | あわら市 | 長谷川 信枝 長谷川 吉弘 | |
農林水産大臣賞 | D | 大分県 | 国東市 | ウーマンメイク株式会社 | |
農林水産大臣賞 | E | 岩手県 | 大船渡市 | 大船渡市農業委員会 | |
農林水産大臣賞 | F | 静岡県 | 御前崎市 | 栗本 めぐみ | |
優秀賞 | 経営局長賞 | A | 長崎県 | 壱岐市 | 勝本地区納豆生産組合 |
経営局長賞 | B | 千葉県 | 袖ヶ浦市 | 農事組合法人みずき会 | |
経営局長賞 | D | 福島県 | 福島市 | 有限会社まるせい果樹園 | |
経営局長賞 | F | 群馬県 | 前橋市 | 齋藤 ゆかり | |
林野庁長官賞 | F | 熊本県 | 山鹿市 | 野中 優佳 | |
水産庁長官賞 | A | 北海道 | 羅臼町 | 田中 郁子 | |
優良賞 | 全国農業協同組合 中央会長賞 |
A | 熊本県 | 宇土市 | 澤田 美也子 |
全国森林組合連合会長賞 | F | 福岡県 | 東峰村 | 川村 倫子 | |
全国漁業協同組合連合会 会長賞 |
A | 島根県 | 隠岐の島町 | 特定非営利活動法人 隠岐 しおさい | |
農山漁村 男女共同参画推進協議会 会長賞 |
A | 福井県 | 南越前町 | 窪田 春美 | |
B | 群馬県 | 太田市 | 峰岸 春代 | ||
D | 埼玉県 | さいたま市 | 有限会社 黒臼洋蘭園 | ||
F | 三重県 | 鳥羽市 | 小寺 めぐみ | ||
特別賞 | ふるさと未来賞 | A | 群馬県 | 県域 | アグリレディースネットワークぐんま |
審査員
岩崎 由美子 氏
審査委員長
福島大学行政政策学類 教授 ●経歴● 埼玉県生まれ。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学。住民主体の計画づくり、農山村地域活性化、農村女性起業、震災からの地域復興などを研究。 主な著書として、『〈食といのち〉をひらく女性たち』(農文協、共著)、『食と農でつなぐ 福島から』(岩波書店、共著)、『小さな自治体の大きな挑戦-飯舘村における地域づくり』(八朔社、共著)、『女性の参画と農業・農村の活性化』(全国農業会議所)、『成功する農村女性起業』(家の光協会、共編著)など。
五條 満義 氏
東京農業大学国際食農科学科 准教授 ●経歴● 全国農業会議所に8年間勤務後、1997年年に東京農業大学専任講師、2003年に助教授、07年から准教授。 国の第2次・第3次・第4次の「男女共同参画基本計画」の策定作業をめぐり、内閣府男女共同参画会議専門委員を務めた。 著書に『家族経営協定の展開』(筑波書房・2003年)、『中国の大学と農村は今』(東京農大出版会・2008年)、『家族経営協定 最前線』(全国農業会議所・2010年)などがある。
永井 進 氏
株式会社 永井農場 代表取締役 www.nagaifarm.co.jp ●経歴● 1971 年、長野県小県郡東部町 ( 現・東御市 ) 生まれ。北海道酪農学園大付属高校 酪農経営科、北海道文理科短大酪農科で学び、卒業と同時に就農。 1996 年、農業生産法人 有限会社永井農場を設立 2009 年 8 月、代表取締役就任。 『よろこばれる』を会社のミッションとして地域に根差した循環型農業を基盤にして生産から加工販売まで 6次産業化を展開。 2011 年、第50 回農林水産祭において天皇杯を受賞
納口 るり子 氏
一般社団法人 未来農業創造研究会 代表理事 筑波大学大学院生命環境科学研究科 教授 ●経歴● 1957 年生 神奈川県小田原市出身。蜜柑農家の次女として誕生し、北海道大学農学部農業経済学科卒業。 その後、農林水産省の試験研究機関(東京・つくば・新潟県上越市)で 21 年間、先進農業経営者の経営管理や農家間の組織化などについて研究を行う。 2000 年から筑波大学にて、教育と研究に従事。
小川 理恵 氏
一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA)主席研究員 ●経歴● 一般社団法人日本協同組合連携機構(JCA) 基礎研究部 主席研究員。1997 年に、前身である社団法人地域社会計画センターに入会。 総務課長、企画調整室長を経て研究職に職種転換、現在に至る。 研究分野は地域づくりと女性活動。 主な著書に『魅力ある地域を興す女性たち』(農文協、2014 年)、『事例から学ぶ 組合員と進めるJA自己改革』(共著、家の光協会、2018 年)、『営農経済事業イノベーション戦略論』(共著、筑波書房、2018 年)、他。
安形 京子 氏
(一社)全国農業経営コンサルタント協会 理事 安形税務会計事務所 税理士・行政書士 ●経歴● 福島県会津生まれ。当初名古屋市民生局委託社会福祉施設に勤務。 その後養豚農家に嫁ぎ農業の現状を知る。会計事務所に勤務後 1995 年安形税務会計事務所を設立。 最初から農家の応援を使命と位置づけ愛知県農業経営改善支援センタースペシャリストに登録。 県の普及所、市の農政課、JA 関係等の依頼で農業簿記会計及び税務の講師を引受ける。 (一社)全農協に入会し農業簿記検定試験立上げメンバーに加わり、教科書作りや試験委員にて活動。 日本政策金融公庫農業経営アドバイザー上級試験合格、食 Pro. 取得、AFP、経営革新等支援機関認定。 愛知県経営相談所専門家派遣事業に登録し日頃は税理士事務所の所長として個人、法人、資産税等の税務会計に従事。
受賞者紹介
アグリレディースネットワークぐんま (群馬県 県域)
消費者や子供達に正しく農業を理解してもらうことをねらいに、平成15年から現在まで毎年継続して県内各地域で、食農・食育体験事業の開催、農業高校生や学校給食栄養士会との交流会、地場産農産物のメニュー提案などに取り組んできた。
近年の特徴的な活動として、次世代にリーダーとして活躍する若手女性農業者の育成と組織化を推進するために、研修会での講師を務めるほか、地域に点在する若手女性農業者の掘り起こしと研修会への受講を促すなど支援を行う。
また、高崎経済大学学生と合同でのイベント販売や若手女性農業者との座談会や消費者交流を合同で開催するなど、若手女性農業者との連携促進を図るため、新たな活動も展開している。
農林水産大臣賞
B. 女性起業・新規事業開拓部門
(有)エッチジェイケイ加工部米工房ほ・た・る ( 栃木県下野市)
自社加工施設を活用し、「かきもち」製造をはじめた際、JA女性部より美山地区の加工女性部立上げを依頼され、周辺集落の女性達と自社加工施設を拠点としたグループを結成。
活動の拡大に伴い(有)エッチジェイケイ加工部として位置付け、経営意識の高い組織に成長。母体である農業生産法人の加工部門として、女性の感性を活かした活動により、地域と連携した商品開発をはじめとした6次産業化に積極的に取り組む。原材料は地元産にこだわり、地元の850年の歴史のある伝統野菜を練りこんだかきもちでは、独特の味と香り、鮮やかな赤色を再現し商品化。
商品の評価も高く、福井市の農林水産加工食品ブランド「ふくいの恵み」に認定され、商談会に参加するたびに、新規取引先の開拓と販路拡大に繋がっている。
農林水産大臣賞
C. 家族経営女性参画部門
長谷川 信枝 長谷川 吉弘 ( 福井県あわら市)
家族経営協定をきっかけに経営参画を果たし、経営発展や後継者育成に積極的に取り組む。おおよそ2ha 規模の兼業農家による家族経営から、100ha 規模の法人組織に発展するベースを共に築く。
規模拡大のポイントなる時期毎に家族経営協定により、全員が参加する話し合いの場を設け、構成員のやる気の向上を図る。家族経営における後継者づくり、経営移譲のモデル的取組み。また信枝氏は、地域活性化にかかるイベント活動などにも女性グループに所属しながら積極的に関わり、地域農業のPR に貢献。
大型特殊、フォークリフトの免許などを取得する他、経営に加工部門を導入し独自の能力の研鑚に励む。農業委員として見聞を広め、学んだことを女性農業者グループの中で情報共有するなど、県内の女性農業者のモデル的存在。
農林水産大臣賞
D:女性活躍法人部門
ウーマンメイク株式会社 (大分県 国東市)
水耕栽培によるリーフレタスの生産・販売を行う女性のみで構成された農業生産法人。代表の平山氏自身が子育てをしながら働ける環境を探した結果、農業生産法人の設立に至った。
勤務体制や栽培品目、労働環境など女性に配慮して設計し、子育て世代の女性が働きやすい職場環境を実現。
従業員研修制度や個別ミーティングを実施し、従業員のキャリア形成・能力開発にも取り組み、女性役員3名を含む16名の女性を地元から採用。地域の女性が活躍する場を創出している。
また、地区行事への積極的な参加に加え、女性就農希望者対象のバスツアーへの協力、地域課題である人口減少や耕作放棄地対策に対する対応など、地域貢献に積極的であり、「女性が輝く農業を通じて、地域活性化に貢献する」という経営理念を体現している。
農林水産大臣賞
E:女性登用・組織参画部門
大船渡市農業委員会 (岩手県 大船渡市)
平成29 年11 月の新体制移行に際しては、農業委員及び農地利用最適化推進委員に占める女性の割合の目標を3割として、地域や認定農業者の会などに農業委員会活動への女性参画の重要性について広く周知し、候補者への働きかけを行った。その結果、改選前は4名であった女性農業委員は、改選後、農地利用最適化推進委員と合わせて6名となり、女性の占める割合はそれぞれ3割と、市の目標を達成し、女性の会長職務代理者も誕生した。また、活動を後押しするため、女性委員を対象とした研修会やシンポジウム等に会長、事務局長が女性委員とともに参加し、活動への助言を行うなど農業委員会全体で女性委員の活動を支援。特に、女性委員が6名となったことをきっかけに、遊休農地解消活動を始めるなど、女性委員が中心となり農地利用の最適化活動に取り組み、農業委員会活動を牽引している。
農林水産大臣賞
F:若手女性チャレンジ部門
栗本 めぐみ (静岡県 御前崎市)
東京農業大学卒業後「ゼロから新しい農業のスタイルを築きたい」と青果物卸売市場に就職。
農業の現状と物流を学び、その後に食品商社の営業職を経験。平成21年、県の新農業人支援事業を活用し、御前崎市で就農。1 年目の売上目標を1,000 万円以上に設定、目標を達成。
4 年目には経営規模を15aから22aへと拡大し雇用を入れる。経営改善により労働時間の大幅な削減を達成。
平成23 年には「第23 回県いちご果実品評会」で農林水産大臣賞を受賞。
その後も2 度の金賞を受賞。地元和菓子製造販売会社や東京の量販店等との取引、生チョコレート専門店とのオリジナル生チョコレートの販売など多岐にわたる取引先との持続的な関係を築く。
地域の農業高校、大学、女性農業者組織に向けた講演や視察の受け入れも行い、特に、新規就農者に対する支援に力を入れている。
経営局長賞
A:女性地域社会参画部門
勝本地区納豆生産組合 (長崎県 壱岐市)
壱岐産大豆100%の納豆を地元で30年以上にわたり生産している加工グループ。
新鮮な食材が豊富で納豆を食す習慣も製造する技術もなかった壱岐において、地元の女性達がゼロから技術を習得し納豆の商品化を行い、施設整備や地道な営業活動で、製造・販売を軌道に乗せた。
原材料には、壱岐産大豆約6t(生産量の10%以上)が使用され、県内を中心に販売。地産地消に大きく貢献している(平成30年)。
平成元年から学校給食の食材として認定され、現在、製造される納豆の3割を学校給食用として出荷。地元小学生が育てた大豆の納豆への加工や加工所見学の受け入れを行う等、次世代へ食や農の大切さを伝える役割も果たす。
現在も販路は徐々に拡大しており、商品のPR 活動やパッケージデザインは地元PR の一端を担っている。
経営局長賞
B:女性起業・新規事業開拓部門
農事組合法人みずき会 (千葉県 袖ケ浦市)
袖ヶ浦町酪農青年研究会のパートナーの女性グループとして発足。牛乳の消費拡大を目的に酪農のPR活動や、地域農産物を活用したアイスクリームの商品化に取り組む。
直売所内への常設店設置を契機に、平成19年会員全員が出資し理事となり、女性グループの法人を設立。
昇格昇給制度、社会保険の整備、従業員の意見をとりいれたメニュー開発など、会員が対等な立場で法人の経営方針に関わり、独立店舗のオープンや加工機材導入と規模拡大を進めてきた。
アイスクリームのフレーバーに、地域で農業を続ける小規模生産者の農産物を使うため、買いあげるシステムを地元JAと新たに構築。
柔軟な発想と、積み重ねてきた活動は、地域農業を動かす力となり、農業の魅力発信と地域の活性化に大きく貢献。
経営局長賞
D:女性活躍法人部門
有限会社まるせい果樹園 (福島県 福島市)
昭和35 年から本格的に果樹栽培を開始、平成13 年、現農業生産法人を設立し、観光果樹園も開園。平成27 年に、農家カフェをオープンし、収益の向上を図る。
風評被害払拭のために、GAP 認証の取得を目指し、平成25 年には、JGAP その後ASIAGAP、GLOBALG.A.P. を取得し、毎年更新。
重労働軽減のための機器の導入など全ての人が働きやすい職場づくりに取り組むと共に、若い世代や子育て中の女性社員のアイデアや意見を取り入れ、女性の能力を生かした経営を実現。農家カフェを訪れる客層も若い世代が増加、売上も向上。
復興支援バスツアーのコースの1つとなるなど、福島県産農産物の安全性のPR にも大きく貢献。高齢化で跡継ぎのいない農家等から農地を借り受け果樹を新植し、剪定、適果等の技術研修用地としている。
経営局長賞
F:若手女性チャレンジ部門
齋藤 ゆかり(群馬県 前橋市)
平成9年、父が創業した養鶏園に就農。平成14年、役員就任を機に農産加工部門を立ち上げ、自家生産の卵を使ったプリンやケーキの製造販売を開始。
鳥インフルエンザの流行を機に、卵の安全性について直接消費者に伝え情報発信したいと、平成18年農場前に直売所をオープン。
平成30年には、喫茶スペースや加工施設を備えた直売所を新設、食育活動のほか、自身が講師となり加工研修も行う。
朝採り卵を使用した加工品は、前橋市「赤城の恵ブランド」にも認定、品質の高さが評価されている。
加工品の製造販売に取り組む一方、複数の女性農業者組織に参加し、ネットワークを広げる。若手とベテランのパイプ役となり、若い世代が参加しやすい環境づくりに努め、組織活動を活性化。平成30年度に知事認定である群馬県農村生活アドバイザーに就任。
林野庁長官賞
F:若手女性チャレンジ部門
野中 優佳(熊本県 山鹿市)
地域林業の担い手が不足する中、若手の女性林業家として「株式会社ゆうき」を設立。
代々受け継いできた50haの自家所有林の育成や、搬出した材の乾燥・加工・販売を手掛ける一方、地域森林の伐採・搬出や保育作業等を請負うなど地域林業の貴重な担い手としても活躍。
自社では、自然に近い形で低温乾燥を行う全国でも数少ない乾燥機を導入、木が本来持っている、色、艶、粘り、芳香性分などを残した製品を作る。
任意団体「ゆうきの森」を立ち上げ、100年を超える自家所有林を活用した森林ツアーを開催。
森林の持つ魅力を伝え、将来的には、新たな担い手となる仲間を増やしていくための活動も実施。熊本県林業研究グループ連絡協議会女性部副代表、また、熊本県森林・山村多面的機能発揮対策地域協議会では有識者としても精力的に活動。
水産庁長官賞
A:女性地域社会参画部門
田中 郁子 (北海道 羅臼市)
平成6年から19年まで羅臼漁業協同組合女性部副部長、20年から25年まで部長に就任。
低利用・未利用水産物の付加価値向上と羅臼産水産物のイメージ向上を目的に、鮮魚や加工品の販売「浜の母ちゃんごっこ市」を開催。
出荷されずに値段も付かなかった漁獲物が売れるようになったことに加え、市場価値の低かったものも単価が向上するなど、羅臼産水産物の付加価値向上と消費拡大に大きく貢献。
また、羅臼町で水揚げされる水産物を活用した料理の「海の幸コンテスト」の開催や、町内の高校や小学校、幼稚園の他札幌市内や、根室管内でも料理教室を開催する。
魚食普及に向けての活動に取り組み、長期間にわたって地元水産物を広くPRし、羅臼産水産物の消費拡大及び地域振興のため活躍。地域経済の発展に寄与している。
全国農業協同組合中央会長賞
A:女性地域社会参画部門
澤田 美也子 (熊本県 宇土市)
結婚を機に昭和53年に就農。平成3年、台風でハウスが倒壊した際、野菜栽培中心だった経営の一部に花きを導入。平成7年にフラワーアレンジメント師範の資格を取得。
自宅の蔵を改修した工房で、フラワーアレンジメント教室を開催し、地域住民の交流の場を設けるとともに、地元走潟小の卒業生・新入生のコサージュづくりなども続ける。
平成7年に熊本県農業女性アドバイザーとして認定を受け、平成11年まで農業女性の経営参画の推進や新規就農希望者への技術支援等に尽力。
平成9年に県域の「農業女性アドバイザーネットの会」を立ち上げ、女性の活躍の場づくりにも貢献。女性活躍推進のために積極的に活動を続けている。
また、平成31年には、「アイランド走潟会」を設立。代表となり高齢者の居場所づくりや、地域の見守り体制の構築に取り組む。
全国森林組合連合会長賞
F:若手女性チャレンジ部門
川村 倫子(福岡県 東峰村)
シイタケ生産者の4代目、農学博士。2007 年父親が代表理事を務める生産組合に入社。
キノコの栽培研究と営業を担当。加工品開発も始め、2011 年、加工所と直売所を開設した。
現在、生産組合の理事として、加工品開発や営業部門の中心的な役割を担う。順調に販路を拡大しながらJGAP認証の取得準備を進めていたが、平成29 年7 月九州北部豪雨により、被災。
被害総額は1億円を超え、事業存続の危機に直面したが、行政機関の協力等を得ながら、被災1年後には新施設を竣工。
売上高も、翌年には被災前の水準に回復。一方、キノコの芸術や学術など多面的な魅力に焦点を当て、多種多様なジャンルのキノコ好きが集う「フクオカきのこ大祭」を2014 年から主宰。
イベントは年々拡大し、横浜、長野、盛岡など全国6か所に広がるなど地域活性化にも寄与。
全国漁業協同組合連合会長賞
A:女性地域社会参画部門
特定非営利活動法人 隠岐 しおさい(島根県 隠岐の島町)
少子高齢化や産業の衰退が進行している隠岐の島で、「誰もが幸せになれる島づくり」を目指して、島の若い女性と高齢者が「観光交流施設 産直問屋しおさい」を拠点に、隠岐島内での定住・交流プログラムの企画、地域の旬の食材と漁村に記憶されている風習や調理法を活用した体験交流活動、隠岐の島特産品の産地直送販売、漁師レストラン 海鮮バーベキューハウスの運営、食を通じた環境学習会の開催等、女性ならではの視点を生かした「エシカルな社会貢献活動」に積極的に取組む。
高齢者の知恵と技と経験を生かし、子どもから老若男女、学生、障がい者、外国人、都市の消費者との交流を図りながら、地域の食文化の保存と継承、及び、提供の実践は、高齢化社会における、地域活性化のモデル的な取り組みとして評価できる。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
A:女性地域社会参画部門
窪田 春美 (福井県 南越前町)
地域に嫁いできた若妻たちと、料理や生活改善をテーマに40 年にわたって活動。JA 女性部の役員になってからは、営農講座や食の寺子屋(食の伝承講座)などを積極的に企画して講師を務め、伝承料理を通じた食育活動に尽力。農家レストランの起業活動を、グループ活動から法人経営へ発展させ、開店から2 年後には黒字化に成功。現在販売額は3,400 万円を超える優良経営を継続。
県内の女性加工グループや加工に取り組む農業法人、女性農業委員等の要望に応じ、地元食材を生かしたメニュー開発やイベント企画、視察の受入れを積極的に行っており、県外からの視察や講師の要望も多い。
農業環境や女性の社会参画、地域改善に向けた前向きな意見を発信し続け、地域活性化に大きな役割を果たしている。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
B:女性起業・新規事業開拓部門
峰岸 春代 (群馬県 太田市)
昭和45年、米麦・野菜農家の後継者と結婚し、就農。家族と共に農業生産に取り組み、平成15年つる付きイチゴの出荷を開始。
平成22年農産加工部門を立ち上げ、自家生産の餅米を使った大福や切り餅の製造販売を開始。
添加物を加えず、新鮮な餅米を用いた品質の高さは評判を呼ぶ。自家生産の新鮮な完熟イチゴを使ったイチゴ大福は、県外から買い求める人も多く、贈り物としての需要も高まっている。
起業当初から安定した経営を続け、スーパーや直売所の他、地元の飲食店におはぎを卸すなど、販路を拡大しながら、年々売上げを伸ばし続ける。
平成26年以降の年間売上額は1 ,000万円を上回り、安定。販路拡大に伴い、農業を引退した地域の仲間を雇い入れるなど、高齢者の生きがいづくりや雇用の創出にも貢献している。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
D:女性活躍法人部門
有限会社 黒臼洋蘭園(埼玉県 さいたま市)
設立当初から、女性社員にとって働きやすい労働環境の提供を心がけてきた。面談を通して、子育てや親の介護など個々のライフスタイルに配慮した働き方を提案し、労働契約を締結。休暇や労働時間などに関する就業規則を、一般業種に則して整備しパート社員にも適用するとともに、女性が無理なく働けるように、早くから労力軽減の設備導入を行っている。
また、入社した社員向けのYoutube を活用した研修や、作業ごとに必要なスキルをまとめたスキルアップ表の活用など、効率化を図っている。
さらに、女性社員の活躍にあたって重要な、良好な人間関係作りにも力を入れ、社内行事を開催して社員同士の交流の場を設けるなど、女性が働きやすい環境の整備に努め、女性社員の活躍により経営を発展させているモデル的な法人。
農山漁村男女共同参画推進協議会会長賞
F:若手女性チャレンジ部門
小寺 めぐみ(三重県 鳥羽市)
大学で環境とビジネスの両立する理論・政策を学び、卒業後システムエンジニアとして愛知県の企業に就職。
夫の事業継承を機に、三重県鳥羽市菅島へUターン移住した。
海女漁を操業し、海女漁獲物のブランド化や6 次産業化に取り組み、菅島特産の「糸わかめ」を伊勢志摩地域の海女が採った水産物の共通ブランド「海女もん」として商品化するほか、女性や子供たちの貧血を補おうと、ひじきを使ったライ麦パンを開発。
県魚食リーダーとしても魚食普及に取り組む。
若い女性ならではの視点やアイデア、企画力を活かし、同じ志を持つ仲間を増やして、地域住民とも交流しながら双方向で活動に取り組む。
地域の資源を守りながら生かし、小さな経済を回し続けるにはどうすべきか、考えながら地域の活性化のために尽力して活動している。